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  連載コラム 2009.秋 最新号

札幌電気工事業協同組合 理事長 尾池 一仁
上手な携帯メールの使い方
 
 皆様には、いつも紫煙をご愛読頂き、ありがとうございます。
 今回のコラムの表題は、「上手な携帯メールの使い方」であります。表題を素直に理解するならば、私は今時の若者にも負けない、相当の打ち手であると思われることでしょう。あにはからんや、全くメールを打つことができません。それでも一度は挑戦してみましたが、10文字打つのに60秒以上かかってしまいました。それ以後メールを打ったことがないのであります。
しからば、メールを打てない私が、何故に携帯メールの上手な使い方のうんちくを語れるのか、答えは簡単です。「こんな時メールを打てたら、都合が良いのに」と思うことがよくあるからであります。反面教師の立場で、例を挙げて記述させて頂きます。

○ケースその1〔相手の要求をきっぱり断るためには、メール返信が最適〕
 私は自分の都合でスケジュールに空きが出ますと、友人に「時間が空いたので麻雀をしよう、すぐに来てくれ」と、お誘いの電話をします。友人が電話口で「仕事が残っているので、都合が悪いんだけどな。他に誰かいないの?」と返事でもしようものならば、すかさず私は、「我々経営者的立場の人間は、仕事は朝駆け夜駆けが常識で、一にも二にもコミュニケーションが大切なのだから、なっ、頼むよ、○○ちゃん」と懇願すると、人の良い○○社長は、「わかりましたよ」と返事をするしかないのです。
これで、めでたく楽しい麻雀の面子が揃うのであります。
○○社長にしてみれば、へ理屈を並べられ、理不尽な要求を呑んだ挙げ句に、勝負に負けようものなら、踏んだり蹴ったりの一夜になってしまうのであります。
話は戻りますが、私からの誘いを上手に断るには、「理事長、今仕事中なのですが、調整して5分後にメールを入れさせて頂きます」と返事をし、よーく文面を考え、メールを打つのであります。間違っても、「調整したのですが、行けません」とは打たないで下さい。再び理不尽な私から、電話が入ります。正しい文面は、「いつもお誘い頂いてありがとうございます。どうしても調整がつかず、行くことが出来ません。またお誘い下さい」この様なメールの返信により、いかに傲慢な私でも、「仕方ないな」と他の友人に、電話をするしかないのであります。
 ただし、この話にはオチがあります。私は携帯メールが打てないのですから、当然のことながらメールアドレスも持っていないのであります。

○ケースその2〔不都合な言い訳あるいは、こちら側の居場所を相手に悟られない為には、メール送信が最適〕
 私を含め、多くの友人は、家からの突然の電話に悩まされます。
よくある話ですが、急なお誘いがあり、ススキノで美人を横にいい気分で飲んでいる最中に、奥様から「今どこにいるの?いつ帰るの?」とのコールに、全ての友人はまず立ち上がり、そそくさと店の外に出て行くのであります。そして店の喧噪が聞こえない廊下で、大多数の方は「ススキノ通いばかりして」の小言が嫌で、「友達に誘われて麻雀だ」、「会議が延びて遅くなる」などの言い訳に苦労するのであります。
 当然のことながら、相互通話ですから、旦那のことを信用していない奥様方は、全神経を集中して聞き耳を立て、旦那のいる場所を探るのであります。酔っぱらいが傍らで奇声を上げようものなら、居場所がばれて、「いや実は」と言い訳をしなければならないのであります。この様なことのないように、事前メールを奥方に打っておけば、最悪の結果は避けられるのです。
ただし、友人への根回しは怠りなく、口裏を合わせておくことが肝心です。
 氏名は控えさせて頂きますが、私の友人にメールの達人がいます。彼はススキノのスナックで、家からの「どこにいる」コールが鳴っても、応答することなく悠然と構えて、美女との一時を楽しく過ごしているのであります。
 電話コールが止んで、5分後に美女を隣にして、おもむろにメールを打つのであります。文面は、「連絡しなくてめんなさい、急に組合の会合が入りました。なるべく早く帰るので、待っていてね」という、メール文にしては少々長目ですが、合格点のものであります。
このメールが、なぜ合格か。それは最後の一節に、「なるべく早く帰るので、待っていてね」という一言があるからに他なりません。この一言が、主人の帰宅を待つ身の奥方が、何よりも期待している、あるいは安心する言葉なのであります。
組合の安全ポスターに、「安全は目くばり、気くばり、心くばり」との一節があります。このフレーズは、家庭の平和と共通するところがあります。「なるべく早く帰るので、待っていてね」……まさに、目くばり、気くばり、心くばりの文節であります。意地悪な私は、「ところで、いつも奥様に、こんなことを言っているの?」と彼に尋ねました。「バカ言うな、照れくさくて言えるか」との返事でありました。言葉に出せないことも、メールでなら平気で伝えることが出来る、素晴らしいことですね。
 ついでに最悪の文節は、「遅くなるから、先に寝て下さい」であります。気を使ったつもりでしょうが、旦那の帰りを待つ身の奥様にしてみれば、折角待っていた気くばりを無視されたに等しいものです。それでも寝ずに旦那の帰りを待って、罵声を浴びせ、一悶着あるうちは、まだ夫婦としての絆は、細いですが繋がっています。旦那が帰宅しても、高いびきで寝ていられたら、熟年離婚は確実であります。読者の皆さん、身に覚えはありませんか?

 少々脅迫じみた末尾になりましたが、続きはまたの機会とさせて頂きます。


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